ZBrushや3Dプリンタとかの造形メモ

ZBrushなどのいじり方や3Dプリンタ等自分用備忘録 文章ユルめ ディーラー名 ZoeaLabo/梨工房として活動開始

Dorudon atrox(ドルドン)全身骨格モデリング&3Dプリント品完成!

さてここまで全く触れていなかったものの、アノマロカリスサーロンのモデリング完了後レジン複製へ至る前に、Dorudon atrox(ドルドン・アトロクス)の全身骨格の作成にとりかかっておりました。

 

本種は現生のハクジラの祖先とされる絶滅した古クジラ類の一種であり(詳しくはぐぐってほしい...)、ギザギザの歯が特徴のとにかく骨格の美しい化石種のクジラさんであります。化石は上野の国立科学博物館に天井吊りでバシロサウルスと並べ展示してあり大変にかっこよいのです。本造形は同博物館で撮影した写真をベースに作っております。

しかし骨格というものはシンプルな繰り返しの構造であるし、わりと簡単に出来るとおもってのぞんだが....案外難しく資料集めもしながらの作業となりなんだかんだで一ヶ月以上費やすこととなった。

作成の流れはまた写真並べるだけの手抜きで.... 

 

つくりはじめは全体のプロポーションをとるためzsphereで骨組みを作成。

 

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次は頭と脊椎パーツ

頭骨はやはり哺乳類で、顎の構造や目の下のアーチの構造が以前作ったヒトの頭蓋骨との共通点を多く感じる。こういうのは作ってみないとわからんもんでありますなぁ

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複数のパーツを別々に作ったのち、マージしてポリグループをそのまま残す。椎間板の造形もいれている。一個一個バラバラなので、後々フル稼動も可能な余地を残した造形とした。脊椎骨の構造は基本的には哺乳類共通で、現生のクジラの脊椎の写真を参考にしたり、上述のヒト骨格模型を参照したりした。

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配置してサイズ調整。この段階で各脊椎骨にはデシメーショーンをかけておく。前回のアノマロカリスでアホみたいにポリゴン数が多くなり苦労したため今回はパーツが増える時点で減らしておくこととした(→三角ポリゴンになってしまうので他の方法の方がベターだったか?再度dynameshにすればよいのかもしれないが)

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肋骨など

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ようやく歯を植える。

 

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歯茎と顎を調整

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最終的な仕上がり

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ダボなど。脊椎骨は2分割しライブブーリアンでダボを作成。浮いている骨は真鍮線を刺して保持するため、固定位置に同機能で穴を開けておく。

 

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CR-10Sでプリント。印刷時間は脊椎セットだけでたしか30時間くらい?

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真鍮線で浮き骨を固定して組み立て。サポート外し時に結構骨が折れやすく苦労した。一部紛失にてマジックスカルプで付け足している。補強にはアクリサンデーが良いようであり、サポート外し前に弱そうなところは流し込んでおくとベター。

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本種に特徴的な脚。この細さがPLAで出てくれてなかなか満足。

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さて以上が全長60cmの試作品。少し大きく全長65cm品を販売用として印刷した。こちらはサポートがついた印刷出しそのままで3/24のGWCにて販売予定である。

g-wc.net

 

ただし、結構組み立てに手間がかかるし、そもそもこれ需要なさそーなので売れないだろうなぁという気しかしない。

しかし、本種のこのサイズとクオリティの模型は多分初なので、これ以外で入手不能であるから自分なら絶対欲しい(またこれか)

 

さてこれとは別に自分用に全長90cmの超ビッグサイズを印刷中である。下図の通りなかなかとんでもないサイズである。印刷時間もすごくて肋骨はなんと45時間もかかっているのである。こいつを天井からつるして博物館のように飾ってやる予定である。

 

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以上。写真の60cm品はGWCで展示するのでみんなみにきてね!